歩けないってどういうこと?
車いすを使う人は百人百様
先天性の障がいにより歩けない人、事故や病気で歩けなくなった人などさまざまです。例えば同じ脊髄損傷でも、歩くことができないだけでなく、手も動かなかったり、体温調整ができない、排泄機能のまひ、痛覚などの感覚まひなど、いろいろな障がいを併せ持つ人が多くいます。
また、加齢により筋力が衰えて歩けない人も増加傾向にあり、車いすを使用する原因は人それぞれです。
車いすを無理矢理押してはいけません
車いすに乗っている人の状態は、「乗っている」ではなく「置いてある」状態の人が多いので注意が必要です。足に力が入らないため重心がとりにくく、足でふんばる力がないため、非常に不安定な状態で車いすに座っているのです。特に、段差、急発進のときには、簡単に転げ落ちてしまうことがあるので気をつけましょう。
それよりもまず、車いすを押すときには本人に確認をとった後に行うのがマナーです。
段差などでは
勢いをつけて段差の上り下りをすると、前輪が段にぶつかり車いすだけ止まってしまい車で急ブレーキをかけた時のように体だけ前に落ちてしまいます。また、車いすの押し手部分を持ち上げるのではなく下に押して、前輪を浮かせるように上ってください。ベビーカーを押すときも同じです。
急な下り坂は、後ろ向きで下ります。
サポートをするときの心得
「では押します」「左に曲がります」など、前もって自分の行動を本人に伝えてから確認してください。「この坂はどうしますか?」「このくらいならそのまま進んでください」など、本人の指示する方法でサポートしましょう。勢いよく押す時や、階段などで持ち上げる時に「エイヤッ」「せ〜のっ」「よっこいしょ」など、いかにも重いものを持ち上げるようなかけ声をかけられると、乗っている人はどんな気持ちになるでしょう。乗っているのはモノではなく人です。かけ声をかけるときは「行きますよ、いち、にのさん」などという、少しの気配りを。