耳が聞こえないってどういうこと?
聞こえない、と一言でいっても、その状態はさまざまです。
生まれつき、あるいは言葉を覚える前に聞こえなくなった人、最初は聞こえていたけれど、何らかの原因で聞こえなくなった人、補聴器の装用で聞き取ることのできる人からどんなに大声で話しても聞こえない人、そして加齢とともに聴力の衰える人も増えています。65歳以上の約7割は、耳が聞こえにくくなっているといいます。だれでもいずれは聞こえにくくなる、ということです。
また、聞こえない人は外見からの判断が難しいため、その存在に気づきにくいのが特徴です。そのために、どんなきくばりがどんなタイミングで必要なのかわかりにくいのです。
聴覚障がいの概要
平成13年度厚生労働省の調べによると、18歳以上の認定された聴覚言語障がい者は34万6000人。このうち20歳未満はわずかに0.3%ですが、加齢とともに増え、65歳以上では23万5000人(68.0%)と、全体の三分の二を占めています。70歳以上は19万5000人と全体の56.4%にもなります。
認定されていない中・軽度難聴者や自覚していない難聴者も含めるとかなりの数にのぼると考えられます。
聞こえない人と話すときは、大きな声で話せばよい?
これは、大きな間違いです。人によっては意味がないばかりか、困る場合もあります読唇、読話といって、聞こえない人は、口の動きで話を読むことができるので、少しゆっくりめに、はっきりとした口の形で話してください。声の大きさではなく、口の動きがポイントです。
みんな手話ができるわけではない
聞こえない人皆が手話でコミュニケーションできるとは限りません全国の聴覚・言語障がい者34.6万人中、手話を使う人は15.4%(厚生省調べ)
また、英語やフランス語などそれぞれの国の言語があるように、その国の手話があります。世界共通手話というのもありますが、普及していません。
聞こえない人とのコミュニケーション
聞こえない人のコミュニケーション方法は、人によってさまざまです。
手話: |
手の動きや形によって意味を伝えることができる伝達方法。50音をすべてあらわす指文字と併用して使います。 |
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読話: | 相手の口の形から、話を読み取る方法。 |
筆談: | 紙に書いたり、手のひらや空間に書いて伝える方法。 |
聞こえない人とのコミュニケーションのポイント
・普通の大きさの声で、はっきりと(一音ずつ区切ると逆に分かりにくいので自然なテンポで)・口元や顔の表情が見える場所で(逆光線や暗い場所では表情が見えません)
・わかりにくい話、大切な話は筆談が確実
・ジェスチャーや身振りを使ってみる(話の中にジェスチャーや身振りを取り入れるだけでとても伝わりやすくなります)
あらゆる視覚表現を使って伝えようとする気持ちが大事です。
コミュニケーションしやすい雰囲気作り
聴覚障がい者のなかには、自分から聞こえないことを言いにくい方や、会話の困難さからコミュニケーションを避ける傾向もあります。受付カウンターやレジにはいつも簡易筆談器やメモ用紙が見える場所に出してあると、コミュニケーションしやすい雰囲気が生まれます。大切なのは、聞こえない人の存在に気づくこと
普段から「聞こえない人がいることを意識」する事で、その存在に気づける事は多くあります。たとえば、補聴器をしている、手話で会話をしている、話しかけても反応がなかったり、話が通じたかどうかはっきりと分からない場合などです。
相手が耳の聞こえない人かなと気づいたときでも、自然と笑顔で対応できる気持ちの余裕が大切なのです。
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