嬉しい気配り 困った気配り

夜の街周辺の散策

初めての街で人の手を借りずに食事どころを探すことは、私にとっては至難な技。あえて挑戦。まずは、道に迷わないために、駅から歩いてきた道を駅に出て、戻り改札を通り過ぎて北口へ出る安心コースを選択。ところが一ケ所、来る時に利用した下りエスカレータを思わず昇りそうになりエスカレーターから降りてくる人が上の方から大声でストップを掛けてくれた。駅北口の広いロータリーを抜けると大きなバス通りに沿って繁華街があり、夏の風情を感じさせるかき氷屋の売り込みの声が聞こえてきた。しばらく商店街から流れる音楽や行きかう人の声を手掛りに街の雰囲気を楽しみながらぶらぶらしていたら、のぼりの布地が顔に触れた。店構えからしてラーメン屋のようだ。ドアを開けて入るとカウンターがあって私の勘に間違えなかった。客は一人もいないようであったが取り敢えず入口付近に腰掛けようとしたら「奥へどうぞ」とテレビ近くの四人掛けのテーブルに案内してくれた。さっそく、ぎょうざとビールを注文し、無事食事にありつけた。
大勢の人の中で食事をすることも楽しいが、ときには、こうしてひとりのんびりと過ごせたことに幸せを感じることができた。

2006年8月18日 金子 修

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